地震リスクの評価と低減

現場緊急地震速報 ユレキテル

ユレキテルとは、気象庁から受信した「緊急地震速報」を、全国にちらばる戸田建設の作業所へ即時に配信し、建設作業員の安全を確保する当社で開発したシステムです。

ユレキテルは、気象庁の緊急地震速報をそのまま作業所へ流すのではなく、データーセンターに設置したユレキテルサーバーで現場の所在地データと地盤状況を瞬時に照合し、イントラネットを通じて被害の予想される作業所に対してのみ揺れの強さや到達予測時間を配信する点に特徴があります。

緊急地震速報 ユレキテルのしくみ

なお、予測には、「防災科学技術研究所:500mメッシュ地形分類データ」 および 「国交省:都道府県別土地分類図(地形分類図)」を使用しています。

建設作業員の安全確保と、速やかな復旧活動のために

「震度6強 あと10秒・・・」*1 このとき一体何ができるのでしょうか。

建設現場は、完成した建物に比較すると、不安定な状態になっている場所や物が数多くあります。そこに大きな揺れが襲ってくると、非常に危険であることは明らかです。
台風のように、来ることが前日に予想できるなら、不安定な場所や物をがっちり固定し、対策を行うことができます。しかし、10秒しか猶予が無い場合、それはほぼ不可能です。

10秒の余裕では、倒れるものは倒れ、落ちるものは落ちてしまいます。

しかし、倒れそうな物から離れることができます。頭上に落ちそうなものがあれば、避けられるかもしれません。不安定な足場の上から、丈夫な建物側に移ることができます。脚立の上に乗っているなら、すぐ降りられます。ガスバーナーを使っているなら、火を消すことができますし、電動のこぎりを止めることで、大怪我をしなくてすむかもしれません。
建設現場の仮設エレベータを停止させることができます。クレーンで今まさに鉄骨を吊り上げようとしているなら、やめることができますし、吊っている最中なら吊荷から離れることができます。

このように、戸田建設では、緊急地震速報はたとえ10秒であっても建設作業員の安全確保には非常に有効であるという考えから、全国の作業所にユレキテルを順次設置していく予定です。

戸田建設では、ユレキテルを自社の事業継続マネジメント(BCM)のツールとして活用し減災に役立てると同時に、お客様の災害復旧支援活動につなげていきます。

*1必ず10秒前に通知されるわけではなく、震源からの距離によって異なります。緊急地震速報は、その性質上限界があります。その限界とは、「間に合わない可能性がある」 「実際の震度や到達時間に誤差がある可能性がある」 「誤報の可能性がある」等です。

新潟県中越沖地震(2007.7.16)のユレキテル

新潟県中越沖地震で被災された多くの方々にはお見舞い申し上げます。

新潟県中越沖地震では、7つの作業所(現場)と5つの社屋にある15のユレキテル端末で緊急地震速報が発報しました。
そのうち4つの作業所が稼働中で、作業員に伝達され、クレーン作業の一時停止などが行われました。

最も震源に近かった作業所は長野県松本市にあり、約30秒前に緊急地震速報を受信しました。また、東京都内の作業所でも約45秒前に受信しています。
いずれも震度3の揺れだったため、怪我や被害等はありませんでした。

新潟県中越沖地震の際のユレキテル

お客様へ、安心と安全を提供するために

また、このユレキテルのノウハウを活用して、緊急地震速報をお客様の施設にご提案致します。

緊急地震速報は建物完成後であっても、様々なシーンでの利用が考えられます。

たとえば生産施設であれば、稼働中の生産ラインを緊急停止させることにより、生産機器やライン上の製品の破損、その後の検査などを低減できると考えられます。危険物の取り扱いを中止したり、ガスの供給停止なども効果的です。

医療施設であれば施術中の事故防止、患者さんの安全と避難経路の確保などが考えられます。

他にも火気や危険物の始末をすることで二次災害を防ぐなど、事業中断による営業損失リスクの低減が可能になるでしょう。

緊急地震速報ユレキテルをお客様へ

さらに高精度な緊急地震速報による震度予測へ

戸田建設の技術研究所では、ピンポイントの地盤情報と建物の構造特性を考慮することにより、さらに高精度な震度予測が可能です。

地震による建物・機器・設備の揺れは、地震の大きさだけではなく、地震の種類や建っている地盤の硬さ、建物・機器の硬さによっても異なります。

たとえば、海溝型の地震は長周期で揺れる特徴があります。そのため、震源からの距離が遠くても、軟らかい地盤や高い(軟らかい)建物では揺れが大きくなります。
逆に、硬い地盤・建物であれば近くても揺れは小さくてすみます。

対象となる地盤や建物情報をあらかじめ調査入力しておくことにより、発生した地震情報から地震の特性を瞬時に判断したうえで、その建物・機器・設備の揺れの揺れを高精度に解析し、地震到達前に被害防止のための最適な対応を判断実施することが可能になります。