新しい耐震技術を教えてほしい

ペアロッククリップ®

耐震性・施工性に優れた接合部金具

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震において、天井脱落被害が数多く見受けられました。一般的に用いられる在来工法吊り天井は、多くの部材で構成されていますが、脱落する大きな要因として、野縁と野縁受けを接合する金具の脆弱性が指摘されています。

開発した接合部金具(通称:ペアロッククリップ)は短時間で簡易に接合部を強固にし、天井脱落を抑止します!! ペアロッククリップを用いることで、天井脱落対策に大きく貢献できます。

天井の損傷・脱落被害と基準概要

在来工法吊り天井は、野縁と野縁受けをJISクリップ、一般クリップと呼ばれる片掛けクリップで接合する方法が主流です。そのクリップの耐震性が低いことは、様々な研究で指摘されています。
当社で実施した動的実験(長さ16.5×幅4.8×懐1.5m)においてもクリップが連鎖的に外れ、最終的に天井面全体が崩落するという衝撃的な実験結果が得られました。
接合部分の金具選択は、天井脱落を低減させる上で、非常に重要な要素になります。

クリップ損傷模式図

JISクリップ天井の脱落例
(当社実施実験より)

天井基準の概要

天井脱落対策に係る基準告示(国土交通省平成25年告示第771号他)が平成26年4月1日に施行されました。建築基準法施行令第39条に第3項が新設され、大臣が指定する「特定天井(脱落によって重大な危害を生じる恐れのある天井)」について、制定・改定されました。
基準では地震時の水平力を斜め部材で負担し、天井が周囲の壁等と衝突しないよう所定の隙間を設けることが前提となっています。

基準の基本的な考え方

隙間のない天井の基本的な考え方

特定天井の範囲

在来天井対応の耐震性・施工性に優れたペアロッククリップ

特 徴

「ペアロッククリップ」には、以下のような特徴があります。

  • 単一の部材で構成され、2個1組(ペア)で、野縁受けを挟み込むシンプルな機構。
  • お互いに爪をひっかけることで、しっかりと噛みあい(ロック)、接合部をがっちり補強。
  • 施工性を考慮し、指で押し込むだけでカチッと止まり、ビスやボルトは不要。
  • 様々な物件に対応させるため、新築物件タイプ、既存物件タイプの2種類をラインナップ。
  • 水平金物を合わせることで、基準にも対応。(※社内実験実施済み)

特許申請中・商標登録

検証実験

ペアロッククリップの性能を確認するために、部材実験・天井ユニット実験・大規模な天井の動的加振実験の3種類の実験を行いました。
それぞれの実験を行うことで、部材の物性だけでなく、ペアロッククリップを含む在来天井全体の耐震性能を確認し、安全性の評価を行っています。

部材実験結果

部材実験では、クリップを鉛直方向に引張り、耐力・剛性を把握しました。JISクリップに比べ十分に耐力があり、耐風圧クリップと同等の耐力・剛性を有しています。

実験例

引張実験結果
(シングルタイプ)

天井ユニット実験結果

ユニット実験では、天井の面内圧縮をした際に所定の荷重において、JISクリップでは、爪が開き損傷するのに対し、ペアロッククリップでは、損傷がないことを確認しました。

実験結果
JISクリップ

実験結果
ペアロッククリップ

動的加振実験結果

東北地方太平洋沖地震で観測された波(JMA仙台波)を再現し、長さ7.5×幅4.8×懐1.5mの実大規模の天井が壁と衝突する加振実験を行いました。
2.2Gを超える加振(震度7相当)においてもペアロッククリップは外れず、天井の損傷・脱落がないことを確認しました。(※JISクリップでは脱落(上記の脱落写真))
また、クリップのかみ合わせ部分や鉛直部分のひずみ量も微小で、非常に良好な結果が得られました。

実験結果 無損傷 若干のすべり有

加振実験による耐震性能比較

動的加振実験により、JISクリップ天井、ペアロッククリップ天井の耐震性能を確認しています。

試験体概要

試験は、長さ16.5m×4.8m(ペアロッククリップは7.5m×4.8m)の大規模天井で実施しています。

加振後の状況

実験結果

JISクリップを用いた天井は、吊元加速度1500gal程度で天井が損傷、2200galで連続脱落したのに対し、ペアロッククリップを用いた天井は、吊元加速度2800galまで無損傷でした。吊元加速度3300galで一部のボードが落下しましたが、連鎖的な大規模脱落は生じませんでした。

ペアロッククリップ施工手順

ペアロッククリップの施工手順を以下に示します。

新築タイプ

新築タイプは、新設の天井に使用します。シングルタイプ、ダブルタイプ共に同じ施工方法です。

既存タイプ

既存タイプのペアロッククリップは、シングルクリップ接合部補強用タイプのみです。シングルクリップのみの補強で、2.2Gまで耐震性能が向上することを、実験により確認しています。